管理栄養士への転職は未経験でも可能？仕事内容や転職方法も解説

管理栄養士は所定の管理栄養士養成課程・実務経験を経たのち、国家試験に合格することで免許を取得できます。

活躍できる場所が多いだけでなく、日常生活でもその知識を活かして、食における健康管理ができる点は大きなメリットです。

健康面への配慮は多くの人が望んでいることもあり、人材を確保したいと考える企業等は少なくありません。

そこで今回は、管理栄養士の仕事内容や、おすすめ転職エージェントを紹介し、未経験でも転職可能かなどを解説します。

管理栄養士が活躍できる転職先についても紹介するため、ぜひチェックしておいてください。

管理栄養士への転職は未経験でも可能？

結論から言うと、管理栄養士の転職は未経験でも可能です。ただし、未経験の場合には即戦力となることは難しいと考えられます。

未経験でも転職ができるところとしては、即戦力を欲しているところが挙げられます。主に、管理栄養士を増員したいと考えている先は未経験でも採用される可能性が高いです。

きちんと教えられる人がいれば、指導できるキャパがあることから未経験者を採用してもあまり負担はありません。

管理栄養士の転職事情

管理栄養士はここ数年で需要が高まっている業界ですが、そうなっている背景にはいくつか理由があります。

ここでは大きく3つに分けて解説していくので、理解を深めていきましょう。

活躍できる場所が増えている

管理栄養士はここ数年で活躍できる場所が増えています。まず挙げられるのが、高齢者の増加に伴い介護施設が増えている点です。

しかし栄養管理を必要としている人の中には、健康な利用者もいれば栄養バランスを特に考えないといけない場合もあります。

食事中の利用者をチェックしたり、体調の変化について確認したりするなど業務内容は多岐にわたります。

介護施設の職員と情報共有・交換などを行って栄養バランスを考えます！

もちろん高齢者の介護施設だけでなく、給食センターや病院勤務なども行います。今後は栄養バランスを意識しないといけない人が増えていくでしょう。

AIが発達しても必要な仕事

AIの発達により人間が必要なくなると予想されている仕事は多くありますが、管理栄養士は職種によって今後も人が求められる仕事です。

そういった職場では管理栄養士は周囲のスタッフや利用者と密に連携を取らなければいけません。

コミュニケーション力も求められるので、AIだけに任せられない職と言えます！

つまり、機械だけでは分からない部分の改善を人間の力で見極める必要があるということです。そのため、入社前に色んな人と話しておくと良いでしょう。

一度資格を取得すると一生働きやすい業種

転職サイトや転職エージェントなどの求人情報において、管理栄養士は一定数の募集が行われています。

主な職場としては病院・介護施設、給食センターなどだけでなく、食品メーカーなども求人があります。

また、管理栄養士は有効期限の無い資格であるため、一度取得すると一生自分のスキルとして活用することが可能です。

女性なら産休や子育てによってブランクが空いてしまっても、転職・再就職の際に有利となる証明であることは間違いありません。

一度管理栄養士から離れてしまった男性でももちろん転職に有利な資格と言えます！

栄養相談・献立作成などを行うのであれば、リモートワークでも働くことは可能なので働き方を増やせるでしょう。

管理栄養士の就職状況

管理栄養士の主な就職状況は以下の通りです。

出典：全国栄養士養成施設協会

病院での健康管理を行う管理栄養士として、就職をする人が全体の約3割ほどいることがわかります。

飛び抜けてどの業界がが多い、というわけではなく、自分にあった就職先を見るけることができるでしょう。

管理栄養士が活躍できる転職先

管理栄養士が活躍できるフィールドは、企業や保育園などさまざまです。ここでは、管理栄養士が活躍できる転職先について解説します。

企業の社員食堂

企業の社員食堂では、管理栄養士が常駐しており、食事の栄養バランスに注意しながら、メニューの提案や食材の選定を行っています。

また、社員の健康に関する相談にも応じています。社員一人ひとりの健康状態を把握し、適切なアドバイスを行いましょう。

食品メーカー

食品メーカーにおいて、管理栄養士が関わる業務の一つには、食品や栄養に関する研究があります。

既存の商品の品質や栄養価を検証することが求められます。

例えば、栄養成分の分析や食品添加物の安全性評価などが挙げられます。また、食品メーカーで管理栄養士が活躍するもう一つの業務は、新商品の開発です。

管理栄養士は、商品の開発段階から関わり、商品の栄養バランスや健康への影響などを考慮して開発を進めます。

保育園・学校

保育園や学校でも、管理栄養士が活躍しています。子どもたちが健康的な食生活を送るために必要な情報を提供することで、保護者とともに子どもたちの成長を支援しています。

栄養バランスの良い食事を提供することで、子どもたちの健康管理に貢献しています。

また、食育の推進にも力を入れており、子どもたちに食の大切さを教えるなどの食育の推進にも力を入れています。

病院・施設

病院や介護施設では、患者や入居者が健康的に暮らせるように、管理栄養士が重要な役割を果たしています。

患者や入居者の健康状態を考慮して、バランスの良い栄養価の高い食事を提供することで、彼らの生活の質を改善できます。

また、消化器官に問題を抱える入居者には、消化がしやすい食材を選ぶ必要があります。

飲食店

飲食店でも、管理栄養士が活躍できます。メニューの栄養バランスの改善や、新しいメニューの企画・開発に携わることが可能です。

また、食品の品質管理や衛生管理も責任を持って行う必要があります。

衛生基準に従って、食材の保存や調理、提供に関する指示を出し、食中毒などのリスクを最小限に抑える対策をとります。

管理栄養士の仕事内容とは？

医療関係の場合は栄養指導をする

医療機関にはさまざまな患者がいるため、なかには食事制限をしなければならない人もいます。一人ひとりの患者さんの状態や状況に合わせた献立を考えるのが、管理栄養士の仕事です。

患者から直接話を聞いたり、食事が思うように食べられない場合などは相談に乗ることもあります。

食品メーカー勤務は研究開発・市場調査など

管理栄養士として食品メーカーに勤務すると、商品開発に取り組むことが主な業務です。

企業によって異なりますが、携わる開発商品には離乳食や弁当、サプリメントなどが挙げられます。

携わりたい商品によって、転職を希望するメーカーを選択することがおすすめです。

教育機関は献立作成

学校・保育園・教育機関では、成長期に必要な栄養素がきちんと摂れるように献立を作成します。また、栄養面だけを考えるのではなく季節に合った献立を考案することも大切な仕事です。

また、子ども達への食育指導をするなど、将来に生きるアドバイスをすることも重要な仕事になります。

社会福祉施設・介護施設は調理法も考える

社会福祉施設や介護施設では、障がいのある人や高齢者のための献立を考えます。

また、立場が違う医師や看護師、他には理学療法士などと連携をして適切な食事を提供することも仕事内容となります。栄養に関する知識はもちろん、コミュニケーション力も重要です。

管理栄養士の平均年収はどれくらい？

栄養士の上級職とも言える管理栄養士の平均年収はいくらほどになっているのでしょうか？

ここでは管理栄養士が稼げる給与について詳しく解説していきます。さらに、どうすれば稼げるのかといった部分についてもお伝えしていくので見ていきましょう。

管理栄養士の平均年収は約344万円

厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査によると、栄養士を含めた管理栄養士の平均年収は約344万円程と発表されています。

しかし、職場によって金額が異なるため、管理栄養士の給与は一概に低めの給与であると言い切れません。

勤務する場所によって金額が大きく変動するため、応募する際にはしっかりと確認しておきましょう。

年齢・スキルなどによっても変動することもあります！

管理栄養士として給与を上げるには

管理栄養士は年功序列の傾向が強い業界とも言えます。20代～30代の方は公務員と同様給与が上がりにくいので、稼ぐためにはコツコツと勤めることが求められるでしょう。

しかし、少しでも早く給与を上げたいといった方も少なくないでしょう。そんな方はいくつか給与を上げるための方法があります。

まず、給与の高い場所で働くことです。上記の表でもお伝えしたとおり、施設によっては年収が200万円近く差があることも珍しくありません。

もし入社して頑張っても給与が上がらないと感じた場合は、転職することも頭に入れておきましょう。

副業で稼ぐ方法は、上手く軌道に乗ると独立してフリーランスとして食べていける可能性もあり、自由な環境で働くことができるようになります。

時間を作りやすい方はぜひ活用してみましょう。

管理栄養士への転職方法

管理栄養士への転職方法は、大きく分けて3つあります。ここでは、管理栄養士への転職方法について解説します。

転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用することで、管理栄養士への転職活動を円滑に進められます。

転職エージェントに登録すれば、求人情報の収集や面接のセッティング、求人票の解説やサポートをはじめ、さまざまなアドバイスが受けられます。

就職窓口に相談する

就職窓口でも、管理栄養士としての就職に必要な情報や求人情報を提供してもらえます。

就職窓口は、大学や専門学校などで設置されている就職支援センターです。

履歴書や職務経歴書の作成方法や面接対策など、就職活動に必要なスキルを身につけることも可能です。

自己分析やキャリアカウンセリング、模擬面接など、就職活動に必要なスキルも身につけられます。

就職イベントに参加する

就職イベントは転職活動を成功させるための重要な手段の一つです。

就職イベントには、多くの企業が参加しているため、管理栄養士が活躍できる職種に出会える可能性があります。

また、就職イベントでは、企業と直接面談できるため、自分に合った職場を見つけることが可能です。

管理栄養士の転職で使える自己PR例文

向上心の高さをアピールする場合の自己PR

現状に満足せず、常に成長し続けていこうとする向上心の高さは、より良い食事を提供する管理栄養士にとって欠かせないスキルです。

こういった向上心の高さをアピールするために、上記のような前職での経験を伝えていくと説得力を増して伝えることができるでしょう。

計画性があることをアピールする自己PR

食事を通して患者さんの健康を支えるには、最終的なゴールを設定した上で小さな目標を達成し続けていけるように、計画性が必須のスキルとなります。

取り組み始めてから「どうしよう・・」と考えるよりも、前もって準備をしておくことによって効率的に動けるようになるのです。

管理栄養士の転職で使える志望動機例文

業界未経験の志望動機

管理栄養士としての経験が無くても、自分が学生時代に痛感した栄養バランスの大切さを伝えていきたいといったことを伝えると、立派な志望動機となります。

上記のように管理栄養士を目指し始めた経緯を伝えられると、どんな人に対してサポートをしていきたいのかといったことも伝えることが可能です。

食品についての知識を活かす場合の志望動機

直接的に管理栄養士の仕事経験が無くても、食品に携わる仕事をしていた事実があれば、経験者の一人として扱ってくれることもあります。

前職で気づいた高齢者の食事問題を、解消するためのサポートをしたいといった内容も、志望動機の一つとして記載できるでしょう。

管理栄養士への転職を成功させるコツ

管理栄養士への転職を成功させるためには、押さえておくべきポイントがあります。ここでは、管理栄養士への転職を成功させるコツについて解説します。

職務経験やスキルを具体的にアピールする

転職活動において、管理栄養士としての職務経験やスキルを具体的にアピールすることは重要です。

職務経験を詳細に示すことで、自分の専門知識やスキルをアピールできます。

どのようなプロジェクトに参加したのか、どのような役割を担ったのか、どのような業績を達成したのかを具体的に示すようにしましょう。

転職先に求める条件を明確にする

転職先に求める条件を明確にすることも、転職活動を成功させるための重要なステップです。

また、転職先に求める条件を明らかにすることで、自分が求める条件に沿った求人情報を収集することも可能です。

転職先の企業研究をする

転職活動において、転職先の企業研究をすることが重要です。

求人情報だけでなく、企業のホームページやSNS、業界情報などから、企業の特徴やビジョン、経営方針などを把握できます。

業界情報を収集する

転職活動を成功させるためには、業界情報を収集することも大切です。例えば、業界内での求人情報や転職者の声を探すことが挙げられます。

また、企業の動向や競合状況、業界トレンドなども調査しましょう。

ネットワークを広げる

転職活動において、ネットワークを広げることが重要です。自分が所属する業界や団体に参加することで、同業者や先輩社員、専門家などとの交流を深められます。

自分自身のブランディングをする

転職活動を成功させるために自分自身のブランディングをすることが大切です。自分が持っているスキルや経験、熱意や使命感を明確にアピールしましょう。

ブランディングには、自己紹介文やポートフォリオの作成、SNSの活用などがあります。

自己紹介文やポートフォリオは、自分自身のスキルや経験を示すために役立ちます。

管理栄養士におすすめの転職エージェント9選

栄養士人材バンク

栄養士人材バンクは、株式会社エス・エム・エスが運営している管理栄養士・栄養士専門の採用支援サービスです。

支店は、札幌から、東京、千葉、福岡など全部で12店舗構えており、全国で支援の対応を行うことが可能。

業界最大級の管理栄養士・栄養士登録者数と採用成立実績から、自分の希望に合った求人を紹介してもらえます。

3ヶ月以内に転職を考えている方、資格を保有している方におすすめです！

参照：公式サイト

しんぷる栄養士

しんぷる栄養士は厚生労働大臣の許可を得ている転職エージェントで、栄養士や管理栄養士の求人を多く紹介しています。

求職者一人一人の丁寧なカウンセリングを行った上で、転職のサポートを行ってくれるため、転職に慣れていない方も安心して利用できます。

保有している求人の企業情報も把握しているため、就職前に企業の良い点も悪い点も教えてくれますよ。

参照：公式サイト

栄養士ワーカー

栄養士ワーカーは長年の人材紹介サービスの経験も活かし、転職成功者数年間30,000人※を達成している栄養士特化型転職エージェントです。

専任のアドバイザーが丁寧に面談した上で、求職者にぴったりの求人を紹介してくれるエージェントで、選考対策も丁寧にサポートしてくれます。

条件交渉や転職後のフォローまで担当してくれるため、安心ですね。

参照：公式サイト

※：トライトグループ会計：2020年4月～2021年3月実績（公式サイトより）

栄養士転職ナビ

栄養士転職ナビは栄養士・調理師専門の転職支援を実施しており、全国各地の求人を保有しています。業界専門のコンサルタントが徹底的にサポートしてくれるため、初めてでも安心です。

転職をサポートしてくれるコンサルタントは専任制となるため、給料やボーナス、さらには残業・休日・福利厚生・職場の雰囲気など、知りたい情報を親身になり提供してくれます。

一般に公開されていない非公開求人も保有しているため、新たな可能性を見言いだせるチャンスも広がっています。

参照：公式サイト

リクルートエージェント

公開・非公開など、トータル求人数が非常に多いです。非公開求人は26万件以上（2023年3月30日時点）あり、今までに出会ったことがない管理栄養士の仕事に巡り合うチャンスがあります。

転職支援実績が高いことも特徴で、今までに約37万人以上の人がリクルートエージェントを利用して転職を成功させています。実績豊富な点は、信用度の高さにも繋がるでしょう。

専門のコンサルタントがフルサポートをしてくれるため、転職活動が不慣れな人でも安心して利用できます。

参照：公式サイト

doda

10万件以上の豊富な求人を扱い、管理栄養士の仕事も多いです。また、都市部だけでなく全国各地の求人を紹介してくれるため、Uターン・Iターン転職も実現しやすくなっています。

キャリアアドバイザーは専任でサポートしてくれるうえ、企業から直接オファーを受け取れる「スカウトサービス」という、面接確約オファーが届くサービスも提供しています。

企業担当の採用プロジェクト担当も在籍するなど、手厚いサポート体制は大変魅力的です。

参照：公式サイト

マイナビエージェント

マイナビエージェントでは、応募者の職歴を丁寧にヒアリングして強みや転職活動プランを一緒に考えてくれます。一人ひとりに合った求人を提案してくれる点は大きな特徴です。

各業界の転職事情に精通したキャリアアドバイザーが専任で付いてくれるため、管理栄養士の転職に詳しい担当者の手厚いサポートを受けることが可能です。

キャリアアドバイザーと別に、企業などの人事担当とやり取りをする企業担当アドバイザーもサポートしてくれます。

参照：公式サイト

栄養士のお仕事

栄養士のお仕事は、栄養士の業界に特化した知識と経験を持ったキャリアアドバイザーが在籍しており、転職状況を丁寧にヒアリングしたうえで適切なサポートしてくれる点が特徴です。

キャリアアドバイザーは、地域の求人・募集状況を熟知しているためスピーディーに求人を紹介してくれる点も魅力です。病院や介護施設、保育園など勤務地も多数用意されています。

ブランクありの人でも積極採用をしている求人紹介もあるため、仕事復帰にも大いに活用できます。

参照：公式サイト

クラッチ栄養士

クラッチ栄養士は3か月以内に勤務開始できる栄養士の非公開求人を会員限定で紹介しているため、無料の会員登録は必須です。

丁寧な選考対策をプロのアドバイザーが行ってくれるため、非常に高い内定率を達成していることも信頼できるポイントです。

LINEでのやりとりが可能なため、気軽に利用できそうですね。

参照：公式サイト

よくある質問

まとめ

この記事では、管理栄養士が活躍できる転職先や管理栄養士のおすすめ転職エージェント、未経験でも転職可能かなどを解説しました。

管理栄養士の業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、かつ手厚いサポートを受けられる転職エージェントを選びましょう。

管理栄養士は未経験でも転職可能です。ただし、即戦力を求める転職先の方が割合的には多いと考えられるため、人員増加を求めている先をピックアップすることがおすすめです。

勤務する施設により仕事内容は若干異なるため、事前にリサーチしておくことが重要になります。

記事内で紹介した転職エージェントは無料で利用できるため、ぜひ上手く活用しながら管理栄養士への転職を目指してみてください。