アパレル販売員を長く続けていると「このまま続けていて良いのだろうか」と不安を感じ、将来について考える機会も出てくるでしょう。
将来への不安を感じたときは、自分がどうなりたいのか、キャリアを明確にすることが大切です。
とはいえ、アパレル販売員にどういったキャリアがあるのか分からない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、アパレル販売員が将来に不安を感じたときのキャリアプランの考え方についてご紹介します。
キャリアアップやキャリアチェンジで役立つアパレル販売員のスキルについても解説していますので、ぜひご覧ください。
常に笑顔で対応してくれるアパレル販売員には華やかなイメージがある反面、アパレル販売員ならではの不安もあります。
どういう瞬間に不安を感じるのか、見ていきましょう。
<ブランドイメージとマッチしなくなってきたとき>
アパレル業界には様々なブランドが存在しており、その一つひとつにターゲット層やコンセプトが設定されています。
そのため、特定のブランドに長く勤めていると、次第にブランドイメージやターゲット層とのズレを感じて居心地が悪くなってきます。
本人の好みも変わりますし、似合う服装も変化してくるため、このタイミングで不安を感じて転職活動を始める人も多いです。
<体力の限界を感じたとき>
アパレル販売員は基本的に立ち仕事です。
その上、商品やマネキン、什器などの重いものを持ったり、補充のために売り場とバックヤードを何度も行き来したりすることもあります。
また、シフト制なので生活が不規則になることも多いです。
特にセールや年末年始といった繁忙期は、休みもあまり取れませんし、残業も珍しくありません。
体力のある若いうちは問題なくこなせていても、年齢を重ねるにしたがって体力の限界を痛感するようになります。
女性は妊娠・出産によって大きく体調が変化するため、男性よりも余計に体力的な不安を感じやすいでしょう。
<キャリアアップできないと感じたとき>
アパレル販売員の中には、店長やエリアマネージャーといったポジションを目指して頑張っている人も多いでしょう。
成果主義による評価を採用している企業も多いため、結果を出している販売員ほど、昇給・昇格しやすいです。
とはいえ、結果よりも社歴を重視する「年功序列制」を採用している企業もあります。
頑張りを正当に評価してもらえず、キャリアアップしづらい環境の場合、自信を失くしてしまったり、不満を募らせたりする販売員が多いです。
<給与への不満を感じたとき>
アパレル販売員の給与は決して高くありません。
評価制度のしっかりした企業や、売り上げに応じたインセンティブが支給される場合は問題ないでしょうが、長く勤めても給与などの待遇が良くならない場合、不満が募ります。
待遇が改善しなければ、家族ができても安心して生活を送れません。
そのため、昇給やボーナスといった待遇の改善が見込めないと感じたとき、将来への不安から転職を検討する人が多いです。
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<後輩ばかりになってきたとき>
アパレル販売員は人の出入りが激しいです。
入社したての頃は先輩ばかりでも、数年で年下ばかりになるため、必然的に後輩を指導する立場になります。
個人目標も高く設定されるため、責任やプレッシャーが大きくなり、仕事に対して悩みを感じやすくなります。
将来に不安を感じることの多いアパレル販売員ですが、販売員として培ったスキルは非常に汎用性が高いため、他の職種でも大いに活かすことができます。
実際、営業職や事務職を含めた顧客対応が必要な仕事では、元アパレル販売員が数多く活躍しています。
では、アパレル販売員の強みとなるスキルを見ていきましょう。
<コミュニケーションスキル>
アパレル販売員の仕事は、接客販売です。
感じの良い挨拶はもちろん、お客様を観察してタイミング良く適切な声がけをしなければなりません。
また、お客様との会話を通じて相手の状況や気持ち、ニーズを汲み取った対応も求められます。
お客様と話をしないことには売り上げを上げられないため、もともと“人見知り”であっても、仕事を通して自然とコミュニケーションスキルが磨かれていきます。
接客業に限らず、コミュニケーションスキルはどの職業でも求められるため、キャリアアップや転職の場面で大いに役立つでしょう。
<情報収集能力・分析力>
流行の最先端に身を置くアパレル販売員は、情報収集が習慣になっています。
というのも、アパレルショップに来店するお客様は、感度の高いおしゃれ好きな方が多いため、最新トレンドを把握していないと信頼されないからです。
売り上げを上げるにはいち早く最新のトレンドをキャッチし、お客様に提案する必要があるため、自然と情報収集能力が高まります。
また、アパレル販売員は個人・店舗の売上目標を達成するために、日々売上や商品の動向、接客の仕方などを分析しているため、分析力も身につきます。
<提案力>
販売員の仕事は、お客様に提案した商品を購入してもらうことです。
しかし、やみくもに提案しても不快感を与えるだけで、売り上げにはつながりません。
商品を購入してもらうには、お客様とのコミュニケーションを通じてニーズを把握し、適切な商品を提案する必要があります。
手持ちのアイテムを考慮した着回しや、コーディネート提案も欠かせません。
アパレル販売員は初めて会ったお客様でもニーズを聞き出し、「欲しい！」と思わせる提案を日常的に行っているため、提案力が磨かれます。
<臨機応変な対応力>
アパレル販売員の仕事は接客だけではありません。検品や商品の品出し、ディスプレイといった、様々な業務を行っています。
店舗は最低限の人員数で回しているため、効率よく進めないと残業になってしまいます。
特に、忙しいときにはこれらの仕事を同時進行しなくてはなりませんし、複数のお客様を同時に接客することも多いです。
優先順位をつけて効率よく、臨機応変に対応する力が身につくため、キャリアアップはもちろん転職先でも役立つでしょう。
アパレル販売員のキャリアプランは、環境を変えるかどうかによって変わります。
まずは、同じ環境でキャリアアップを目指す場合のキャリアプランについて見ていきましょう。
店長や副店長は、アパレル販売員の王道のキャリアプランです。
アパレル販売員として実績を積み重ねていけば、20代でも店長・副店長といった責任あるポジションで活躍できます。
店長・副店長に昇格しても基本的な業務は変わりません。
ただし、店舗運営の責任者として、シフトの作成やスタッフの育成、売上管理、在庫管理、面接など、店舗運営に関わるヒト・モノ・カネの管理を行います。
副店長は、店長のサポートとしてお店を運営し、店長不在時には店長代理の役割を担います。
<やりがい>
売上目標達成に向けて「どういう商品をどのくらい店舗に置くか」「どういった人材を採用するか」など、ある程度自分の裁量で決められます。
また、自分が育てたスタッフの成長していく姿を見られる点も、店長・副店長の仕事の魅力です。
スタッフ一丸となって取り組み、売上目標を達成できたときは、大きなやりがいと喜びを感じるでしょう。
<厳しさ>
店舗運営責任者として売上目標達成を強く求められ、実績を出せなければ異動・降格もあり得ます。
店長・副店長の業務は多岐に渡る上、急な欠勤などで人手が足りないときは、店長・副店長が代わりに勤務することもあります。
<店長・副店長の目指し方>
店長・副店長に昇格するには、売上目標を達成して結果を出すことが重要です。
実績を積み重ねていけば、昇給や特別手当といった待遇アップも期待できます。
また、店長・副店長は店舗全体の売上目標達成に向けて、スタッフ全員を率いていかなくてはなりません。
そのため、リーダーシップやマネジメント能力が求められます。積極的に新人教育に携わって、スキルを磨きましょう。
店長・副店長になるのに必要な資格や検定はありません。
しかし、資格や検定は知識・技術があることを客観的に証明できるため、加点評価の1つになります。
たとえ取得できなくても、勉強すればある程度知識は身につくので、無駄にはならないでしょう。
店長を目指すのであれば、「販売士検定」「ファッション販売能力検定」「ファッションビジネス能力検定」といった検定の1級取得がおすすめです。
難易度は高いですが、ショップマネジメントに必要な知識があることを証明できます。まずは3級からスタートしましょう。
広域展開しているアパレルブランドでは、エリアを束ねるマネージャーがおり、店長として結果を出し続けることで、エリアマネージャーに昇格されます。
エリアマネージャーは、担当するエリア内にある複数の店舗を統括し、管理・監視する仕事です。
例えば、売上目標達成に向けた店舗の管理や店長の業績評価、スタッフの育成・管理、本社と現場の橋渡し役としての役割も果たします。
<やりがい>
エリアマネージャーは、各店舗が抱えている問題を把握して、店長と一緒に解決を目指すなど、マネジメントは広範囲に及びます。
そのため、担当エリアの売り上げが達成できたときには、大きなやりがいや充実感を得られるでしょう。
また、エリアマネージャーとして実績を積み重ねると、その後のキャリアアップに大きく近づきます。企業によっては部長などの上級管理職への昇進も可能です。
<厳しさ>
エリアマネージャーになると、複数の店舗を統括して管理運営することになります。
担当エリアの売れ行きが良くなければ厳しい叱責を受けますし、管理能力を問われることもあるため、重いプレッシャーがかかります。
エリアマネージャーは各店舗の売れ筋の傾向や問題を把握した上で、適切な解決策を考えなくてはなりません。
各店舗を回って分析したり、重大クレームや深刻なトラブルなど、店長で対応しきれない問題の対処をしたりするため、非常に忙しいです。
<エリアマネージャーの目指し方>
エリアマネージャーになるには、現場で経験を積んだ上で、店長として結果を出すことが重要です。
エリアマネージャーは担当エリアの店舗全体を管理する役割を担うため、高いマネジメント能力を求められます。
また、コミュニケーションスキルはもちろん、リーダーシップや数字管理能力、情報収集能力、人材育成スキル、接客業や小売業への知見といったスキルも必要です。
アパレル企業の本社勤務には、
・バイヤー…商品の買い付け
・プレス…広報や宣伝企画
・ディストリビューター…各店舗への商品分配・在庫管理
・マーチャンダイザー…商品開発～販売計画、予算・売上管理
などの様々な職種があり、アパレル販売員から本社勤務を目指す人も多いです。
アパレル企業の本社勤務として働く主な方法として、「経験を積んで社内公募を待つ」「本社勤務の求人に応募する（転職）」の2通りが挙げられます。
<経験を積んで社内公募を待つ>
社内公募制度を導入している企業の場合、空いたポジションの募集を社内でかけることがあります。
ただし、アパレル業界は「販売職」と、本社勤務を前提とした「総合職」の2職種に大別されるため、この職種間で異動できるケースは稀です。
希望するタイミングで出るとは限りませんし、会社側は「優秀な販売員は現場で活躍してほしい」と考えるものなので、社内公募によるキャリアチェンジは簡単ではありません。
別の環境でのキャリアアップや異業種・異職種にキャリアチェンジする方法もあります。
通常、年齢などでブランドイメージとマッチしなくなってくると、辞令が出て別ブランドに異動となるケースがほとんどです。
しかし、「会社は好きだけど、コンセプトやブランドの方針にどうしても共感できない」ということもあるでしょう。
ブランドとのマッチ度が低いと感じている場合は、転職ではなく上司に異動を相談するのがおすすめです。
複数のブランドを展開している企業の場合、他ブランドへの異動はよくあるので、本人の希望に応じてもらえることも多いです。
ただし、異動するには異動元の店舗はもちろん、受け入れ先の店舗の人員も調整しなくてはなりません。
組織編成が大幅に変わることもあるため、必ず希望が通るとは限りませんし、希望を通すには相応の理由が必要です。
本社勤務の求人は、ほとんどがアパレル業界経験者を対象としているため、社内公募を待つより転職で目指す方が現実的です。
とはいえ、
・募集職種の経験者
・IllustratorやPhotoshopのスキルがある
といった、条件を設定している求人が多いため、希望職種に沿った強みを身につけておく必要はあるでしょう。
アパレルの本社勤務は人気が高いため、職種未経験者はハードルが高いです。
まずは、希望職種のアシスタントからキャリアをスタートさせると良いでしょう。
アシスタントとして経験を積みながら仕事や流れを覚え、昇格または転職するのが一般的です。
アパレル販売員を続けたい場合、他のブランドに転職する方法もあります。
求人サイトや転職支援サービス、人材派遣サービスなどを活用しましょう。
転職支援サービスや人材派遣サービスでは、非公開も含めた多数の求人を取り扱っているため、希望に応じた案件を紹介してもらえます。
転職活動で採用担当者にアピールできるよう、成果や実績を積んでおきましょう。
また、売上達成のために行っていた工夫や身についたスキルも洗い出し、それをどんな風に活かせるのかを伝えられると、好印象を与えられます。
エランでは、アパレル・ファッション業界を中心とした転職・派遣を支援しているので、お気軽にご相談くださいね。
異業種・異職種にチャレンジする場合も、まずは求人サイトや転職支援サービス・派遣支援サービスを活用してみましょう。
求人情報をチェックすることで、「どんな仕事があって、何のスキル・経験が必要なのか」「これまでの経験をどう活かせるのか」が見えてきます。
ただし、異業種・異職種への転職はポテンシャルに期待して採用します。
年齢が上がるにつれて厳しくなるため、異業種・異職種への転職を希望している場合、できる限り早めに動いた方が良いでしょう。
また、異業種・異職種の場合、入社後にイメージとのギャップに悩む人が多いため、イメージだけで先走らず、しっかりと情報収集して自分との相性を見極めることが大切です。
キャリアコンサルタントに相談すると、ミスマッチを感じにくくなりますし、転職にあたってのアドバイスももらえます。
エランでは、アパレル業界出身のコンサルタントが無料相談を受けつけていますので、お気軽にご相談ください。
ちなみに、アパレル販売員は「営業職」「一般事務」「営業事務」「サービス業（フロントなど）」に転職する人が多いです。
これらの職種は、社内外の様々な人たちと関わる機会が多いため、販売員時代に培ったスキルを十分に発揮できるでしょう。
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アパレル販売員として働いていると、不安に感じることも増えてくるでしょうが、着実に実績を積み重ねていけば、店長やエリアマネージャーへの道が見えてきます。
キャリアチェンジする場合も、アパレル販売員として得たスキルは大きな武器となるでしょう。
ただし、異業種・異職種への転職を視野に入れている場合、年齢が上がるにつれて難易度が高まるため「自分がどうなりたいのか」を明確にしておくのが大切です。
エランでは、様々なブランドの職種を多数ご紹介しております。まずはお気軽にご登録（無料）ください。
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