お客様をおもてなしするアパレル販売員にとって、接客用語のマスターは欠かせません。
誤った言葉遣いで接客すると、お客様を不快にさせてしまったり、クレームにつながってしまったりすることもあります。
そのため、お客様に気持ちよくお買い物を楽しんでいただくには、正しい言葉遣いを身につけることが大切です。
そこでこの記事では、アパレル販売員が知っておきたい接客7大用語やシーン別の接客敬語についてご紹介いたします。多用されているNGな言葉遣いについてもまとめていますので、ぜひご確認ください。
接客基本7大用語とは、接客時に用いる言葉です。
基本的なマナーなので、アパレル販売員はもちろん接客業に携わる方は、使いこなせるようマスターしておきましょう。
お客様がご来店されたときに出迎える言葉です。
笑顔でアイコンタクトを取り、感謝の気持ちを込めて挨拶しましょう。
「色違いを取り寄せて」など、お客様から何かをお願いされたときは「かしこまりました」と言います。
「分かりました」はカジュアルな印象を与えるため、避けた方が無難です。
「承知いたしました」「承りました」と返答することもあります。
在庫確認やレジ・試着待ちでお客様をお待たせする際または、お客様の元から離れる際に用います。
何も言わずにお待たせしたり、その場から離れたりすると、「無視された」と思われる可能性があります。不快感を与えてしまうため、必ず一声かけてから行動しましょう。
お待ちいただいたお客様には、必ず「お待たせいたしました」と声をかけてください。
待ち時間が長くなった場合は「大変お待たせいたしました」と伝えてから接客を始めると、丁寧な印象を与えられます。
なお、接客中は電話を取れないため、コールが鳴り続けた状態で放置することも多いです。
迅速に対応できなかった場合は、「お待たせいたしました」と一声かけてから名乗りましょう。
迷惑をかけてしまったときや、お待たせしてしまったときに使う言葉です。
また、お客様の要望に応えられないときの、クッション言葉としても活用できます。
例えば、ストレートに「できません」「ありません」と言うと、冷たい印象や不誠実な印象を持たれる方もいらっしゃいます。
同じ意味でも「申し訳ございませんが、現在こちらの商品は切らしておりまして」のように、一言添えるだけで柔らかい印象になります。
なお、「すみません」は誠意が伝わりづらいため、「申し訳ございません」を用いましょう。
店側のミスでお客様に謝罪する際は、必ず「申し訳ございません」「大変/誠に申し訳ございません」を使ってください。
お客様に何かをお願いするときや感謝を伝えるときに使用します。
「恐れ入りますが、少々お待ちくださいませ」「恐れ入りますが、こちらにご記入いただけますか」など、クッション言葉として使うことが多いです。
また、お客様からお褒めいただいたときも「恐れ入ります」と返答しましょう。
「ありがとうございます」と返答するのも素直で良いですが、「恐れ入ります」の方がよりフォーマルな印象を与えられます。
商品をご購入いただいたときやお客様が退店される際は、感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました」と伝えましょう。
「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」は、お店の雰囲気づくりにも直結する重要な挨拶です。
作業中でも一旦手を止め、必ずお客様の方を見てから笑顔で言いましょう。
次に、接客で使うことの多いアパレル接客用語や敬語をシーンごとに見ていきましょう。
お客様がご来店されたら、笑顔でお出迎えしてください。
このとき、
「いらっしゃいませ、新作商品も入荷していますのでぜひお手にとってご覧ください」
「いらっしゃいませ、○○をお探しですか」
など、ファーストアプローチとなる簡単な声がけもしておきましょう。
お客様が商品を手に取って見ていたり、鏡の前で合わせていたりしたら、接客のチャンスです。
「せっかくですので、ぜひご試着なさってみてください」のように、お声がけして試着を案内しましょう。
すぐに試着室が利用できない場合は「恐れ入ります、現在試着室が満室のため空き次第すぐにご案内させていただきます」と、案内します。
クッション言葉を用いて案内すると丁寧な印象になるので、お客様に不快感を抱かせずに済みます。
購入時は商品や顧客情報の確認、金銭授受など、お客様との重要なやり取りが数多く発生します。
確認不足やレジでのミスは重大なクレームにつながるため、しっかり確認した上で丁寧に対応しましょう。
例えば、
「ありがとうございます、こちらのレジで承ります」
「お品物はこちらでお間違いございませんか」
「メンバーズカードはお持ちですか」
「貯めたポイントはお買い物にご利用いただけるので、よろしければお作りになりませんか」
「恐れ入りますが、こちらにご署名お願いいたします」
などのやり取りが挙げられます。
購入または接客の有無に関係なく、お客様が退店されるときは必ず「ありがとうございました」と挨拶してください。
ご購入いただいたお客様をお見送りする際は、「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」と伝えましょう。
また、
「とてもよくお似合いだったので、たくさん着てくださいね」
「週末の○○にもピッタリなお洋服なので、楽しんできてくださいね」
など、接客時に得た情報や感想を伝えると好印象を与えられます。
商品不良やミスなど、お客様にご迷惑をおかけしてしまった場合は、
「ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした」
「この度はご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした」
など、心を込めて謝罪することが重要です。
クレームを受けた場合は真摯に対応することが重要なため、適度な相づちやオウム返しで話を聞いている姿勢を見せましょう。
話を遮ったり、ミスを指摘したりすると、ヒートアップするので、根気強く最後まで聞くことがポイントです。
店側に落ち度はなく、お客様のミスや勘違いでクレームが発生することもあります。
その場合は、「分かりづらくて申し訳ございません」「説明不足で失礼いたしました」と一言添えるだけで、“お客様に非はない”という姿勢で正しい情報を伝えられます。
接客時に敬語を用いるのは最低限のマナーですが、誤った言葉遣いをしている販売員も少なくありません。
誤った言葉遣いは誤解を招いたり、違和感や不快感を与えたりするため、正しい言葉遣いで接客することが大切です。
では、接客の場面で耳にすることの多いNGな言葉遣いを見ていきましょう。
商品やお預かり金など、お客様に物事を確認するシーンで「よろしかったでしょうか」と言いがちです。
しかし、お客様への確認は“現在進行中”の出来事なので、過去形は正しくありません。
物事を確認する際は「よろしいでしょうか」が適切です。
納得や同意の気持ちを表す「なるほど」に、丁寧語の「です」が組み合わさっているため、敬語と勘違いされることが多いですが、これも間違いです。
特に若い世代で多用されていますが、そもそも「なるほど」は目上の人が目下の人に使う言葉なので、お客様に用いるものではありません。
相づちや同意の気持ちを表すときは、「おっしゃる通りです」「かしこまりました」を使いましょう。
お客様からお金を受け取る際、「○○円から」と表現する販売員も多いですが、この表現は正しくありません。
「から」とは「○○から△△まで」「~だから」のように、範囲や理由を説明するときに用いる言葉です。
「○○円をお客様からお預かりします」が略されて使われていると考えられますが、この場合、主語がないと日本語として成立しません。
よって、「○○円お預かりします」が正しいです。
「○○のほうでよろしいですか」「○○のほう、お持ちしました」など、「○○のほう」は、よくある言い間違いです。
「ほう」は方角を表す言い方なので、接客の場面では「こちらでよろしいですか」「○○をお持ちしました」と表現しましょう。
「新作になります」「Mサイズになります」など、接客で多用されている言い方です。
「~になる」は「赤から青になる」のように、変化を表す言葉なので、変化しないものに対して用いるのは正しくありません。
お客様にご案内する際は、「新作です」「Mサイズです」と、シンプルに伝えましょう。
お客様から褒められた際やお礼を言われた際、謙遜の意味を込めて「とんでもございません」と言いがちですが、正しい言葉遣いではありません。
現在では広く用いられていますが、元来は「とんでもない」で一つの言葉です。
「ない」の部分だけを変換して「とんでもございません」と表現するのは不適切なため、正しくは「とんでもないことです」と表現します。
「とんでもないです」「恐れ入ります」「光栄です」と表現することもできます。
お金はお客様からお預かりするため、「○○円のお返しです」と表現するのはOKです。
一方、レシートは店側からお客様にお渡しするものなので、「レシートのお返しです」は正しくありません。「レシートです」と伝えましょう。
了承の意味で用いられる言葉ですが、「了解」は対等もしくは、目下の人に使う言葉です。
お客様に対しては、「かしこまりました」「承知いたしました」を使いましょう。
お名前の確認やご記入いただく際、「お名前頂戴できますか」と聞くのはNGです。
名前はもらうものではないので、「お名前をお伺いできますか」「ご記入お願いいたします」と表現しましょう。
お客様が2つの商品どちらを購入しようか迷っているときなど、「どちらにいたしますか」と聞く販売員もいますが、この言い回しもNGです。
「いたす」は、自分の行為をへりくだって表現する“謙譲語”なので、お客様に対して用いるものではありません。
相手の行為を表現する際は“尊敬語”を用いるため、この場合は「どちらになさいますか」が正しいです。
接客で使うことが多い敬語表現をまとめておきますので、ぜひご覧ください。
尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 | |
---|---|---|---|
する | なさる される |
いたす させていただく |
します |
いる | いらっしゃる | おる | います |
来る | いらっしゃる お越しになる お見えになる おいでになる |
参る 伺う |
来ます |
待つ | お待ちになる お待ちくださる |
お待ちする | 待ちます |
見る | ご覧になる | 拝見する | 見ます |
聞く | お聞きになる 聞かれる |
伺う お聞きする |
聞きます |
言う | おっしゃる 仰せになる |
申す 申し上げる |
言います |
知る | ご存じ お知りになる |
存じ上げる 承知する |
知っています |
受け取る | お受け取りになる | 頂戴する | 受け取ります |
着る | お召しになる | 着させていただく | 着ます |
買う | お買い上げになる ご購入になる |
買わせていただく | 買います |
利用する | ご利用になる | 利用させていただく | 利用します |
お客様に気持ちよくお買い物を楽しんでいただくには、正しい言葉遣いを用いることが重要です。
関係性が出来上がっている馴染みのお客様相手であれば、少々フランクに話しても問題ないでしょう。
しかし、あまりに砕けた話し方は不快感を与えるため、最低でも接客マナーの基本である接客7大用語はマスターしておきましょう。
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