自社商品の着用を求めるアパレル業界では、従業員に割安で商品を提供する「社販(社員販売)」を福利厚生に組み込んでいる企業が多いです。
好きなブランドの服をお得に買える嬉しい制度ですが、利用時の注意もあります。
そこでこの記事では、社販が存在する理由や相場、購入方法といった仕組みについて解説いたします。
また、社販のメリット・デメリットについて、販売員と企業それぞれの観点からご紹介しますので、ぜひご覧ください。
社販(社員販売)とは、自社で取り扱っている商品を販売価格よりも安く従業員に販売することです。割安で購入できるため、販売員にとってはお得な制度です。
社販はアパレル業界ならではの特権ですが、そもそもなぜ社販システムが存在するのでしょうか。
<アパレル販売員の制服>
アパレル企業の大半は、販売員に自社ブランドの着用を義務づけています。
販売員は、ブランドの世界観や商品の魅力をアピールする“広告塔”のようなものです。
販売員が身につけていれば、着用感が分かりますし、着こなし方やコーディネートをイメージできるため、お客様の購買欲向上につながります。
とはいえ、定期的に仕事着を自腹で購入するとなると、販売員の金銭的負担が大きくなるため、これを軽減する目的で「社販制度」を採用している企業が多いのです。
<福利厚生の一環>
福利厚生の一環として、社販制度を採用している企業も多いです。
労働人口の減少により人材確保が困難になっている近年、人材確保や流出防止策の重要性が増しています。
企業が従業員に提供するサービスである「福利厚生」は、その施策の一つです。
社販制度を取り入れることで、企業で働くメリットを社内外の労働者にアピールできるため、福利厚生の一環としての側面もあります。
社割(社員割引)の相場は30~50%程度ですが、ブランドによっては80%のところもあります。
なぜこれほど社割の幅が広いかというと、ブランドによって商品の原価率が異なるからです。
商品の原価と販売価格が近い(原価率が高い)ほど、利益は少なくなりますよね。
こういったブランドは多く売らないと利益が出ないため、社割を高く設定すると赤字になる可能性があります。
そのため、原価率が高いブランドほど社割を低く、原価率の低いブランドほど社割を高く設定するのが一般的です。
また、商品単価も割引率に関係があります。
単価の高い商品を多く取り扱っているブランドの場合、割引率を高く設定しないと従業員の生活を圧迫してしまいます。
毎月社販だけで何万円も使っていては生活に支障をきたすため、商品単価が高いブランドほど社割を高く設定していることが多いのです。
社割は非公開のブランドがほとんどですが、以上の点を考慮すると、
ただし、あくまでその傾向が強いというだけで、絶対ではありません。社割のスタンスはブランドによって異なるため、気になる場合は担当者に確認しましょう。
アパレル販売員の月の平均購入額は、2~3万円程度です。
軽装な春夏は1~2万円程度、厚手の生地や着用アイテムが増える秋冬は2~5万円程度と、シーズンによっても変動します。
生活を圧迫しないよう、コーディネートしやすいアイテムを購入する販売員が多いです。
社販の対象となる商品は、ブランドによって異なります。
店舗で取り扱っている商品すべてが対象のブランドもありますし、「新作のみ」など一部商品に制限していることもあります。
あくまでお客様が優先のため、一般的には「在庫が少ない商品」「人気の商品・カラー」の購入は制限されています。なお、基本的にセール品は社販対象外です。
近年では、社販で購入した商品をフリマアプリなどに出品して利益を得ようとする人が出ています。
そのため、社販購入後の転売を禁止している企業が多いです。
主な社割での購入方法は「給与天引き」「店舗での会計」です。
給与天引きが多いですが、「○○万円以上は店舗会計」のように、購入金額によって購入方法が変更となるケースもあります。
基本的に社割率は、雇用形態や役職に関係なく一律です。
ただし、企業やブランドによっては、正社員よりもアルバイト・パートの社割を低く設定していることもあります。
派遣社員の場合は、通常の社割よりも低く設定されているケースが多いです。
また、家族や友人にまで社割を適用できる企業もあります。
その場合、割引率は従業員本人よりも下がることが多いため、利用する前にルールを確認しておきましょう。
では、社販を活用するとどのようなメリットが得られるのか、販売員・ブランド双方の面から見ていきましょう。
まずは、販売員のメリットからご紹介いたします。
<割安で購入できる>
販売員が社販を利用するメリットは、なんといってもセールを待たずに安く商品を入手できる点です。
最新の服をいち早くお得に入手できるため、トレンドを押さえたコーディネートを気軽に楽しめます。
アパレル業界にはおしゃれ好きな人が多く集まっているので、販売員同士でコーディネートのアドバイスをしたり、似合いそうな服を見立てたりすることも多いです。
その道のプロから直接アドバイスをもらえるので、コーディネートの幅も広がりますよ。
<服飾費の節約につながる>
社販は割安で洋服を入手できるため、服飾費の節約にもつながります。
社販購入したアイテムは、仕事着だけでなくプライベートでも着用できるため、定価で購入していた頃よりも洋服代を節約できます。
<販売しやすくなる>
実際に商品を着用することで、レビュアーとしての立場で魅力を伝えられるため、トークに説得力が出ますし、コーディネート提案もしやすいです。
また、自分は持っていなくても他のスタッフが着用していれば、着用イメージを素早く伝えられるので、試着に誘導しやすくなります。
では、ブランドや企業側にはどういったメリットがあるのでしょうか。
<売上アップを期待できる>
ブランドにとって最も大きなメリットは、売上アップにつながる点です。
店舗ではディスプレイなどで商品の魅力をお客様にアピールしています。
しかし、店頭に置いてあるマネキンは、一般的な体形よりも数段美化されているため、着用時とイメージがズレることも多いです。
また、平置きやハンガーの状態では商品の魅力が上手く伝わりません。
販売員は、お客様にとって最も身近なマネキンです。
販売員の着ている洋服を見て、購買意欲をそそられることも多いので、販売員が積極的に商品を着用すると売上アップにつながります。
<人材の確保や流出防止につながる>
人材の確保や流出防止策で重要となるのが働きやすさです。
例えば、商品着用を推奨しているにもかかわらず何の割引もされないのでは、服飾費が増えるばかりで従業員の生活を圧迫してしまいます。
到底働きやすい環境とは言えませんし、すぐに離職されてしまうでしょう。
定価よりも安く商品を提供する「社販」は、企業から従業員へのサービスです。
従業員の経済的負担を軽減できれば、働きやすさを感じてもらえるため、従業員満足度の向上、ひいては定着率アップにつながります。
また、求職者は企業選びの際に福利厚生の充実度を重視しています。福利厚生の一環として社販制度を導入すれば、求職者に自社の魅力をアピールできます。
社販を活用すると、様々なメリットを得られることが分かりました。では、社販にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
社販は、商品を安く購入できるお得な制度ですが、それゆえお給料をつぎ込んでしまうことも珍しくありません。
店舗には、トレンドを押さえたアイテムが常に並んでいますし、接客を通して商品の魅力に気づき、自分も欲しくなることもあります。
さらに、普段通常価格を目にしているので金銭感覚も狂いがちです。
「毎月〇万円以内に納める」「合わせやすいベーシックアイテムを選ぶ」のように、ルールを決めて買いすぎを防ぎましょう。
また、支払い可能なタイミングまで待ってくれる「ツケ払い」を採用している企業もあります。
余力のあるときに支払える便利なシステムですが、気をつけないと会社に多額の借金を作ることになるため、計画的に利用しましょう。
社販は割安で商品を提供するため、通常価格で販売するより利益が減ります。
原価率や単価に即した割引率を設定しないと、赤字になってしまうため注意が必要です。
また、「従業員による買い占めで一般のお客様に商品が届かない」といった事態を防ぐためにも、社販のルールは慎重に決める必要があるでしょう。
社販はお得に洋服を購入できるアパレル業界ならではの特権です。
「毎月の服飾費を節約できた」という販売員も多いですが、その反面、買いすぎて生活を圧迫してしまうこともあります。
上手に利用すれば力強い味方になるので、上限などの購入ルールを決めて買いすぎを防ぎましょう。
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