通訳とは、言語の通じない人同士の会話を結びつけることや、その能力を持った人のことです。
テレビでも、同時通訳を使った国際会議などの映像を見る機会がありますので、通訳の仕事がどのようなものかはお分かりだと思います。
意外と知られていないのは、通訳にはさまざまな種類が存在することです。今回は、さまざまな通訳のお仕事について解説します。
通訳についての具体的な仕事内容や、通訳の職種については「通訳」をご覧ください。
それでは、通訳の種類について一つずつ説明します。
会議通訳とは、国際会議やシンポジウム、サミット、学会、講演会などで活躍する通訳のことです。
これらは長時間にわたることもあり、通訳力に加え集中力も必要となります。また、専門的な議題に対応できるよう、医学や金融、経済、ITなど各方面の専門的な知識も必要です。
そのため会議通訳は、通訳の中でも難易度の高い仕事だといわれています。
ちなみに、重要な国際会議は世界中の聴衆に向けた通訳になるため、会議通訳者の中でもトップクラスの人でないと担当することはできません。
外国人を交えた商談やテレビ会議、社内ミーティングなどあらゆるビジネスの場面で活躍するのがビジネス通訳です。
プレゼンや交渉の場面では、通訳者の能力が利益を左右するケースもあるので、非常に重要な役割を担います。
英語力はもちろん、取り扱う商品や業界特有の専門用語、お互いの国の文化やマナーなど、ビジネスに関する全般的な知見が必要となります。
近年の日本における企業の海外進出や国際的な連携拡大により、ビジネス通訳の需要は年々高まっています。
放送通訳とは、海外のニュースを日本語に通訳したり、日本のニュースを外国語に通訳したりするお仕事です。日本では、1980年代ごろから徐々に活躍の場を広げてきました。
「会議通訳」同様、聞こえてきたニュースを即座に通訳するという高い技術が求められます。
また、放送通訳では予定通りの放送だけではなく、突発的なニュースにも対応しなければならないこともあります。そのため、即応力や記憶力、内容理解力などさまざまなスキルが必要とされます。
海外からの来賓が来た時の視察や出張をサポートするのがアテンド通訳です。サポートは数日間にわたることも多く、英語力だけではなく体力も必要な通訳業務です。
来賓者とさまざまな観光地を訪れたり、食事を共にしたりという機会が多いため、語学力以外にも歴史や地理、文化に精通している必要があります。接待のようなシーンで活動することが多いので、当然、言葉遣いや立ち振る舞いなどのマナーも兼ね備えておかなくてはいけません。
エンターテインメント通訳とは、俳優やミュージシャン、スポーツ選手など、エンターテインメント業界で活躍する人を対象に通訳をするお仕事です。
テレビのインタビューなどで、ハリウッドスターや映画監督の通訳をしているのがエンターテイメント通訳です。
エンターテインメント通訳は、他の通訳業務とは異なる点があります。それは、正確な通訳をすることよりも、話し手の感情をくみ取り、雰囲気やニュアンスを正しく表現することが求められる点です。
そのため語学力だけではなく、お互いの国や文化、作品に関する正しい理解や表現力なども求められます。
コミュニティー通訳とは、在日外国人を行政、教育、福祉などの場で支える通訳者のことです。外国人の方が病院で受診する、役所で行政のサービスを利用するなどの場合に活躍します。
コミュニティー通訳は大きく分けると「学校通訳」や「司法通訳」、「医療通訳」、「行政通訳」などに細分化され、それぞれ適した場面で活躍しています。
学校通訳や行政通訳は、そこまで高い語学力は求められないものの、外国人の方に親切な心で対応するコミュニケーション力が必要とされます。
一方の医療通訳や司法通訳は、人の命や人生にかかわる重大な責任が伴うため、より正確でスピーディーな語学力が求められます。
2020年には東京オリンピックの開催が控えており、日本に住む外国人はさらに増えていくため、コニュニティー通訳の需要は高まっていくと予想されています。
プライベート通訳とは、例えば国際結婚をする場合の家族間の打ち合わせや結婚式に立ち会い、双方のコミュニケーションをお手伝いする仕事です。
その他、何か事件や事故があった場合にも、外国人の親族や友人、知人などへ連絡するという役割もあります。
いわゆるプライベートな場面で活躍する通訳者ですので、相手の気持ちを推し量れる人、配慮のある人に向いているといえるでしょう。
通訳ガイドは、外国人観光客に対して日本文化などを紹介する仕事で、通訳とガイド、二つの側面があります。
また、通訳者として働くためには、原則あらゆる通訳のお仕事の中で唯一資格が必要なお仕事です。国家試験である「全国通訳案内士」の試験を受け、合格しなくてはなりません。
※報酬を受け取らない場合には、「全国通訳案内士」は必要ありません。
通訳ガイドは、外国語のスキルはもちろん、日本の文化や歴史、観光地についての知見が求められます。その他、旅行スケジュールを立てたり、ホテルの予約やチェックインを行ったりと非常に忙しい仕事です。
日本では、2018年の外国人観光客が3,000万人と過去最高の数字を記録しました。それに伴い、通訳ガイドの仕事も需要が高まっていますが、同時に通訳ガイドの志望者も比例して増えているため、仕事量に大きな変化はないというのが現状です。
次は通訳の手法(方式)についてです。通訳のお仕事では、以下の3種類に通訳手法が分類されます。
同時通訳は、国際会議などで目にする発言者と通訳がほぼ同時に話し出すというものです。リアルタイムでのやり取りが可能となるため、会議の進行がスムーズに進むなど大きなメリットがあります。
同時通訳は、通常通訳ブースと呼ばれる小部屋に待機し、そこから通訳を行います。通訳した音声はイヤフォンを通じて聴衆に届けられるのです。
外国語への変換だけでなく、言葉の意図やニュアンスも瞬時に判断し、わかりやすく聴衆に伝えなくてはいけないため、高い技術力はもちろん、集中力も必要とされる手法です。
活躍の場
サミット、シンポジウム、国際会議、セミナー、展示会、インタビュー、商談
逐次通訳とは、発言者が通訳のために言葉を短く区切りながら話し、それをまとめて通訳するという手法です。会話自体はゆっくりとなりますが、その分通訳の精度は上がります。
ビジネスシーンでもスピードより正確さを求めるような場面では、詳細まできっちりと伝えられる逐次通訳が選択されるケースが多いです。
商談や会議、研修の場面で利用されることが多く、一般的に半日の会議であれば1名以上、1日の場合には2名以上で臨みます。
主な活躍の場
商談、社内会議、講演会、セミナー、インタビュー、研修、ワークショップ
ウィスパリング通訳とは、同時通訳と同様にほぼ同時に通訳をする手法ですが、通訳者が発言者の隣で小さくささやくように通訳をするというものです。
このようなスタイルの為、ウィスパリング通訳は、少人数の社内会議や商談といったシーンで利用されます。
ウィスパリング通訳は、発言者の隣で通訳をするという性質から、周りの雑音が聞こえてきたり、自分の声が邪魔になってしまったりと、きちんと言葉を聞き取ることに集中力がいるお仕事です。
通常、2時間までは1名、2時間以上となると2名以上で対応します。
ここまで、さまざま種類の通訳のお仕事を紹介しました。
通訳のお仕事は大きく「ビジネス通訳」、「エンターテインメント通訳」、「プライベート通訳」、「コミュニティー通訳」、「通訳ガイド」の5つに分かれ、さらにその中で、状況や場面によって呼称が変わります。
ビジネス通訳では、かかわるビジネスに関する知識や一般教養、エンターテインメント通訳であればコミュニケーション能力、通訳ガイドなら歴史や地理というように、求められる能力はさまざまです。
どの通訳をするにしても、なりたい通訳の種類が決まったら、それぞれの通訳で求められる能力を伸ばすことが何より大切です。いずれの通訳も、人と人をつなぐことができる素晴らしい仕事ですから、あなたに合った通訳の仕事で活躍されることを祈っています。
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