ヘッドハンティングとは、仲介者（ヘッドハンター）が優秀な人材に直接アプローチをかけて、依頼を受けた企業に紹介する「人材紹介サービス」の一種です。
ヘッドハンティングがきっかけでキャリアアップする人もいますが、注意しなくてはならない点もあります。
キャリアアップを成功させるためにも、対処方法や注意点、ヘッドハンティングの流れについて事前に把握しておきましょう。
「ヘッドハンティング＝すごいこと」のように感じますが、実のところアパレル業界ではそれほど珍しいことではありません。
というのも、販売スタッフの力量を直接判断するために、ヘッドハンターがお客様のフリをして来店するのはよくあることだからです。
そのため、何度もヘッドハンティングされた経験のある人もいます。
もちろん、ある程度の接客スキルがないとヘッドハンティングはされないので、ヘッドハンティングされたら「一定の評価を得た」と言えるでしょう。
△△（社名）の☆☆と申します。
この度、○○さまをヘッドハンティングしたいと仰っている会社がございますので、お電話いたしました。
一度、お会いしてお話だけでもさせていただけないでしょうか？
先日、○○さま（あなた）から接客を受けた、△△（社名）の☆☆と申します。
○○さまのような優秀な方にぜひご紹介したい会社があり、お電話をいたしました。
一度、お会いしてお話だけでもさせていただけないでしょうか？
アパレル業界のヘッドハンティングは、店舗に上記のような電話がかかってきて勧誘されるケースが主流ですが、メールやSNSを通してアプローチしてくることもあります。
ちなみに、他スタッフの目もあるので、ショップで直接ヘッドハンティングされることはあまりありません。
いきなりヘッドハンティングの電話がかかってくれば驚くでしょうし、嬉しさも感じるでしょう。
しかし、世の中には詐欺まがいのヘッドハンティングも存在するため、その場ですぐにOKを出してしまうのは危険です。
ヘッドハンティングは、基本的に非公開の求人で行われます。そのため、メッセージや電話で求人の詳細な情報は教えてもらえません。
したがって、電話でヘッドハンティングされた場合は、
・相手の社名・氏名
・連絡先
を確認した上で、後日あなたから連絡するように伝えるのがベストです。
直接声をかけられた場合は、相手の名刺を受け取るに留めておきます。
電話を終えたら、「ヘッドハンティング会社が実在するのか」社名を検索し、ホームページの内容を確認してみてください。
「日本語がおかしい」「情報が少ない」「固定電話がない」「“.co.jp”のアドレスではない」など、違和感を覚えた場合は、警戒するべきでしょう。
※「.co.jp」は、日本国内で登記されている企業のみが登録できるドメインです。
また、ホームページが見つからない場合や詐欺情報が出てきた場合は、関わらない方が無難です。
ヘッドハンティングされる人には、いくつかの特徴があります。
アパレル販売スタッフには、コミュニケーションスキルが欠かせないため、ヘッドハンターはお客さまに扮して来店し、実際に接客を受けます。
販売スタッフの笑顔や声のトーン、声かけ、提案内容といった、細かい接客スキルを確認しているため、コミュニケーションスキルが高い人はヘッドハンティングされやすいです。
ヘッドハンティングを利用することが多い外資系の企業や、ラグジュアリーブランドでは、専門性の高さも選定のポイントとなります。
そのため、アパレル業界やファッションに関する豊富な知識を持っている人は、ヘッドハンティングされやすい傾向にあります。
販売実績がある人の方が紹介先企業に選ばれやすいため、ヘッドハンターは売り上げ上位者や顧客が多くついている人を探しています。
ブランドのホームページで紹介されている人は、特にヘッドハンティングされやすいでしょう。
ヘッドハンティングは、キャリアアップできるチャンスでもありますが、中には詐欺など別の目的で接触してくる悪質なケースも存在します。
ヘッドハンターの情報と合わせて、自分を指名している企業の情報も確認しましょう。
初期の段階でオファー内容の詳細を教えてくれることはほぼないですが、会社の規模や大まかな仕事内容は教えてくれるはずです。
ヘッドハンティングは、対象者の実績やスキルをリサーチした上で行われるため、オファー理由を聞くのがおすすめです。
本物のヘッドハンターなら具体的な理由を答えてくれますし、評価した能力や抜擢したいポストが分かれば、納得感も得られるでしょう。
ただし、家族構成や出身地といった仕事とは無関係の情報まで把握している場合は、注意が必要です。
SNSなどで大々的に情報公開している場合を除き、プライベートな情報まで知っているヘッドハンターは別の意図で近づいている可能性があるので、注意しましょう。
なお、ヘッドハンティングには、名指しで希望する「指名スカウト」と、条件に合致する人材にアプローチをかける「ロングリスト」の2種類があります。
ロングリストの場合、企業の選考を受けることになるため、一般的な転職活動と変わりません。自分以外にも候補がいるかどうか、聞いてみましょう。
電話でヘッドハンティングされた後は、
1.ヘッドハンターと面談
2.企業担当者との面接
3.内定獲得
の流れで進んでいきます。
直接会って話を聞いても問題なさそうなら、ヘッドハンターの会社に電話をして、面談の日程を調整します。
ヘッドハンターとの面談で詳しいオファー内容を聞き、「信頼できる」と判断した場合は、自分の情報を伝えます。
信頼できない場合やニーズに合わないと感じた場合は、情報を開示せずにお断りしましょう。
最初は、お互いの理解を深めるためにカジュアル面談が実施され、話を聞いた上で面接に進むかどうか決めるケースが多いです。
ロングリスト形式の場合は、通常の選考と同様に、面接を重ねて選考を進めることになります。
内定が決まると、給料などの待遇面の面談が行われます。
待遇面の交渉は担当のヘッドハンターに依頼することも可能なので、希望の条件はあらかじめ伝えておきましょう。
ヘッドハンティングは、優秀な人材を引き抜くという性質上、現職よりも好条件で転職できる可能性があります。
アパレル業界ではヘッドハンティングが頻繁に行われているので、彼らの目に留まるためにも日頃からスキルを磨き、実績を積んでおくことが重要です。
ただし、ヘッドハンティングを待つだけではいつ声がかかるか分からないので、キャリアアップを目指す方は人材紹介サービスに登録しておくと良いでしょう。
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