映画や書籍、論文など、翻訳者の活躍を目にする機会も多く、翻訳の仕事に興味を持つ人は増加傾向にあります。
「なるべくお金を掛けずに勉強したい」
「学校に通わずに翻訳家になりたい」
と考える人も多いのではないでしょうか。
今回は、独学で翻訳家になりたいという人に向けて、勉強法や翻訳家として働くための行動についてご紹介していきます。
翻訳家の詳しい仕事内容については、「翻訳家」をご覧ください。
翻訳家になるには、翻訳の専門学校へ通うのが一般的ですが、独学で翻訳家になることは可能なのでしょうか。
実は、プロの翻訳家として活躍している人の中には、翻訳の学校や通信講座を利用せず、独学で勉強された方もたくさんいます。
つまり、学び方によっては独学で翻訳家になることも可能なのです。
とはいえ、独学でだれでも簡単に翻訳家になれるわけではありません。
独学で勉強を行う場合も、学校へ通って勉強をする場合も、メリット・デメリットがあるので、自分に合う勉強スタイルを選ぶことが上達への近道です。
独学最大のメリットは、お金を掛けずに、自分のペースで勉強できるところです。
学生や社会人など本業がある方でも、空いた時間に勉強をすることが可能です。
しかし、独学だと指導者がおらず翻訳した文章を見てもらえないため、客観的なアドバイスを得にくい点や、不明点があっても質問できないといったデメリットがあります。
また、自分一人で行う独学は挫折しやすいため、自己管理能力が高い人や意志の強い人に向いている勉強法です。
プロの講師から翻訳のノウハウやアドバイスなどを学べるため、独学よりも早めに翻訳のスキルを身につけやすいです。
しかし、学費はそれなりに掛かりますし、学校自体もそれほど多くはないため、地域によっては通えないこともあります。
翻訳の基礎を体系的に学びたいという人や、プロから直接指導してもらいたいという人は、学校へ通う方が良いでしょう。
そもそも、ほとんどの言語は『リーディング』『リスニング』『スピーキング』『ライティング』の4つに分けられます。
この中で翻訳家として絶対に必要なものは、『リーディング』です。
その他のリスニングやスピーキングというスキルは、音声として翻訳をする“通訳者”には必要ですが、文字で翻訳を行う翻訳家には必要ありません。
また、英語から日本語への翻訳のみで、日本語から英語へ変換する翻訳家を目指さないのであれば、ライティングの勉強も不要です。
ここでは、リーディングを強化するために必要な勉強に焦点を当ててご紹介していきます。
英語が初心者レベルの人であれば、まずは文法の勉強から始めましょう。
「文法の勉強をしなくても英語はできる」という人もいますが、それはあくまで英語を仕事として使わないレベルの話です。
翻訳家は文章のプロであるため、原文の言い回しやニュアンスなど、正確に意味を理解し、それを日本語へ変換する必要があります。
プロの翻訳家を目指すのであれば、文法の勉強を避けて通ることはできません。
基礎が身についている人と、そうでない人とでは、原文への理解度や実際に翻訳をしたときのスピードが全く違います。
まずは中学英語の文法からスタートし、高校レベルの文法をマスターしましょう。
高校レベルの文法まで身につければ、翻訳家として仕事をするのに十分な基礎知識を身につけられます。
中学や高校で使っていた参考書や書店で売られている文法の本などで勉強できるので、チャレンジしてみてください。
実は、翻訳の仕事をするのに難しい単語を知っている必要はありません。
もちろん、たくさん単語を知っていれば、スムーズに翻訳できるので有利なのは間違いないですが、翻訳の仕事は電子辞書やインターネットなどですぐに調べられます。
中学英語で習うくらいの基本的な単語は、必ず覚えておきましょう。
翻訳家の仕事は、『原文を読んで意味を理解し、日本語へ変換すること』です。
翻訳家には、英文で書かれた文章を読んだとき、日本語に変換しなくても理解できる程度のレベルが最低限必要となります。
いちいち日本語に変換して考えているレベルでは、作者の意図を正確に理解することは難しく、適切な翻訳作業はできません。
英文のまま正確に意味を理解できるようになるには、ネイティブが書いた文章をたくさん読み、言い回しや単語の使い方に慣れることです。
現在、翻訳家として活躍している人たちの間でも、英文をたくさん読むことが最も重要であると認識されています。
医療、金融、政治など特定の専門分野の翻訳をしたいと考えているようであれば、その分野の論文や文書などを読み、できるだけ多くの英文に触れましょう。
ただし、個人ブログなどの出どころがはっきりしていない文章は、文法に誤りがあるものもあるため、インターネットで英文を読む場合は、新聞や、信頼できる発信元がアップしている記事などを中心に読むことをおすすめします。
また、翻訳家は、英文を正確に分かりやすく日本語に翻訳しなくてはならないため、文章を書く力も求められます。
英文だけではなく、日本語の本や記事などもたくさん読むことで語彙が豊富になり、表現力が広がります。
実際にチャレンジしてみるとわかりますが、翻訳は非常に難しいです。
はじめのうちは、たった一行を訳すのにも時間がかかりますし、納得いくような文章を作れないかもしれません。
多くの文章に触れて、何度も翻訳していくことで上達していきますので、地道に翻訳の訓練を行いましょう。
参考書の例文を使って翻訳したり、企業の日本語版と英語版のサイトを見比べて、どのように表現しているのかチェックしたりなど、さまざまなトレーニング方法があります。
直訳では分かりにくい表現でも、作者の意図を読み取ることができれば、自然で分かりやすい日本語へ訳せるようになります。
しかし、自分が翻訳した文章を添削することはできないので、スクールが行っている無料翻訳力診断テストや、無料翻訳コンテストなどの利用をおすすめします。
プロの視点から解説やアドバイスをしてくれるため、非常に勉強になります。
また、翻訳会社が主催する翻訳コンテストに応募すれば、仕事を貰える可能性があるので、ぜひチャレンジしてみてください。
仕事を貰えなかったとしても、翻訳コンテスト入賞などで実力を評価されれば、客観的な指標となるため、仕事を依頼されやすくなります。
「翻訳家になるにはTOEIC900点以上必要なの?」という質問をよく耳にします。
もちろん、プロの翻訳家として仕事をするなら、英語力は高いに越したことはありませんが、「TOEICが○○点以上あればOK」とは一概に言えません。
そもそもTOEICの試験にはリスニング、リーディングがあり、どちらも同様に評価されます。しかし、前述の通り、翻訳にリスニングは必要とされません。
また、TOEICでは「限られた時間に、より多くの問題を処理する」スピードが重要になりますが、翻訳にスピードはあまり必要ありません。
つまり、TOEICは、英語の実力を客観的に証明する指標にはなりますが、翻訳家として必要なスキルを証明するものではないという事です。
では、どのような英語力があれば、翻訳家として活躍することができるのでしょうか。
一般的に、翻訳家のスキルとして重要とされているものの中に、ローカリゼーションという能力があります。
例えば、英語から日本語に翻訳をする場合、作品の背景などをとらえて直訳するのではなく、文化や時代背景を踏まえた表現にする必要があります。
日本語から英語に翻訳する場合も同様です。
英語と言っても、イギリス英語、アメリカ英語というような表現があるように、地域によって細かい文法や言い回しは異なります。
また、若者向けか、年配向けかによっても使用する言葉や言い回しは変わるはずです。
ただ英語の意味を理解して訳すだけではなく、読み手の立場や年齢、地域などを考慮した上で、適切な表現ができることがローカリゼーションという能力です。
ローカリゼーションを、客観的に示すことは簡単ではありません。
そのため、最終的にはプロの翻訳家や出版社、エージェントなどに自身の作品を見てもらうことで、英語力を示します。
翻訳家の求人募集をしている会社へ就職することができれば、翻訳家として安定的に働くことができます。
しかし、翻訳家を社員として募集している場合、「実務経験○年」など要件を指定しているケースがほとんどの為、未経験からチャレンジできるわけではありません。
また、そもそも求人数が少ないため、翻訳家として仕事をしている人のほとんどは、フリーランスで働いています。
未経験の人が翻訳家を目指す場合、翻訳会社のトライアルにパスして登録し、仕事を貰うスタイルがほとんどです。
しかし、トライアルに失敗すると、その翻訳会社には「1年間挑戦できない」など制限を受けることもあるので、注意しましょう。
翻訳会社に登録すれば、仕事の依頼をもらえる可能性は高くなりますが、依頼元と翻訳者を仲介する形になるためマージンが発生して、翻訳家の取り分が減少します。
フリーランスは実力や経験によって仕事量が変わるため、翻訳家としてスタートを切ったばかりの人は、なかなか仕事の依頼が来ないことも多いです。
また、経験がない人には、比較的単価の安い案件を依頼される傾向があるため、初めのうちは実績作りと割り切って、一つずつ丁寧に翻訳を行い、自分の評価を地道に上げていきましょう。
先述の通り、新聞などで翻訳コンテストを行っていることがあります。
さまざまなメディアで有料・無料の翻訳コンテストが開催されており、結果次第では、そのまま翻訳の仕事を依頼されることもあるので、ぜひ挑戦してみましょう。
直接仕事に繋がらなくても、入賞すれば実績になります。
知人などの伝手を頼りに翻訳を依頼するケースもあるため、医療や法律など特定の分野に詳しい人が行っていることも多々あります。
依頼された翻訳が、ボランティアや少額の報酬だったとしても、立派な実務経験になります。
人脈を作りたい人たちが集まる名刺交換会や交流会などに参加して関係を構築したり、SNSを活用したりして、日ごろから人脈作りを行っていくことが重要です。
今はスマホなどの普及で、誰でも簡単に情報発信をすることができるようになりました。
「まだ実績は何もないけど、翻訳家を目指している」という方は、ブログなどで自分の作品を公開するのも良いでしょう。
そして、TwitterやInstagram、Facebookといった様々なSNSと連携して、自分の作品を発信し続ければ、次第に翻訳家としての腕も磨かれ、場合によっては、翻訳の依頼がブログを介して寄せられるかもしれません。
実際に、翻訳家を探す場合に翻訳家が書いているブログなどから依頼を送ることもあるようです。
翻訳の練習を兼ねて、このような取り組みを行うのも一つの方法ではないでしょうか。
翻訳家は独学でも十分目指せる仕事ですが、独学で目指す場合はそれ相応の厳しい道である点については理解しておきましょう。
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