洋服の出来を左右するパタンナーは、アパレル業界にとって重要な職種です。
しかし、近年は仕事と家庭を両立するために会社を退職し、フリーランスのパタンナーを目指す人が増加しています。
フリーランスのパタンナーを目指す人にとって、どのような点を意識すれば成功するのか、気になりますよね。
今回は、フリーのパタンナーに必要な能力や経験、フリーランスのメリット・デメリットについてご紹介していきます。
パタンナーの具体的な仕事内容や、やりがいなどは「パタンナー」をご覧ください。
フリーのパタンナーになるためには、パタンナーとしての確かな経験と、それを証明する実績が必要です。
そもそも、フリーランスとして仕事を獲得するためには、クライアントに信頼され仕事を任せてもらえる状態でなければいけません。
クライアントから仕事を任せてもらえるようになるためには、パタンナーとして経験を積み、“ヒット作を手掛けた”、“大手のブランドでチーフパタンナーを任されていた”などの実績を持っている必要があります。
これらのことから、フリーランスのパタンナーになるためには、十分な経験を積むことができ、クライアントにアピールできるような実績が得られるようなキャリアを作らなければいけないということが言えます。
具体的には、誰もが知る有名ブランドで経験を積む、新規ブランド立ち上げの経験を積むなどです。
フリーのパタンナーに、なぜ経験が重要となるのかが分かったと思います。
では、どのような能力や経験が必要なのか見ていきましょう。
パターンメイキングは、平面を立体へ起こす作業です。
洋服として仕上げるには複数のパーツを組み合わせていくため、パターンの線が数ミリ違うだけでデザインが変わってしまいます。
ミリ単位の微調整を行っていくパタンナーにとって、正確さと集中力は必要な能力です。
職人要素の強いパタンナーですが、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
デザイン画をもとにパターンを起こすため、デザイナーの意図を理解しなくはなりません。
しかし、デザイン画だけですべての意図を理解することはできないので、デザイナーとコミュニケーションを図る必要があるのです。
また、フリーランスの場合は一般のお客様から依頼を受けることもあるため、ちゃんとしたデザイン画がないケースもあります。
顧客に満足してもらうには、コミュニケーションを取って、どのようなイメージを持っているのかを明確にすることが重要です。
フリーランスで活躍するなら、パターン作製の技術力は欠かせません。
デザイン性を保ちつつ着心地の良い洋服を作るには、人間の体形に関する基礎的な知識はもちろんのこと、縫製方法や生地の特性など服飾関連の知識も必要です。
人間の身体を理解して作らないと洋服として成り立ちませんし、生地と縫い方の組み合わせで、見た目も着心地も変わります。
これらを総合的に考える必要があるため、パターン作製の技術力が必要なのです。
フリーランスのパタンナーは、前職や学歴といった経験を問われることがほとんどです。
一般的には服飾系の専門学校へ通い、洋服作りに必要な知識を学んでからアパレルメーカーに就職し、実務経験を積む人が多いです。
また、フリーランスは年代もテイストもさまざまな案件の仕事を行うため、得意分野だけではなく、幅広いパターン作成の経験が必要です。
フリーのパタンナーとして成功するためには、下記の2点がポイントとなります。
パタンナーに限らずフリーランスは成果報酬型です。
仕事の量や報酬額によって収入が変わるので、質のいい仕事をスピーディーにこなせる人へ仕事の依頼が集まります。
最初の内は報酬額が安いことも多いですが、実績づくりと割り切って丁寧に行っていけば評価と連動して報酬額もアップしていくでしょう。
早く仕上げれば、その分他の仕事を受けることもできるため、本人の頑張り次第では独立後の方が高い収入を得ることも可能です。
個人で仕事を受注するフリーランスは、トラブルやミスが発生した場合、すべて自分で責任を負うことになるため、パートナーの見極めが重要です。
「友達の依頼だから」と気軽に口約束で依頼を受ける人もいますが、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
自分が受ける仕事の範囲を明確にしておかないと、後から業務を増やされることになり兼ねません。
追加報酬が発生するなら問題ないですが「友達だから」という心理が働いて、ただ働き状態になる可能性もあります。
業務内容や契約内容、報酬額をきちんと確認し、書面で受けるようにしましょう。
また、仕事内容や抱えている案件の数によっては、ヘルプを依頼するケースも出てくるでしょう。
依頼する際はその人のスキルや仕事への姿勢を見極めないと、二度手間になったり、納期遅れに繋がったりする可能性があります。
自分の評価に関わることなので、一緒に仕事する人はシビアに見極めてください。
フリーになるメリット・デメリットをご紹介します。
フリーランス最大のメリットは自分のペースで働ける点です。
会社員とは違い、勤務時間や勤務場所が固定されていないフリーランスは、ライフスタイルに合わせて仕事量を調整できるため、自分のペースで働けます。
正確性を求められるパタンナーにとって、雑音の多い環境や作業途中に話しかけられるなど、集中しづらい環境は「やりにくいな」と感じる人も多いです。
働く場所が固定されていないフリーランスは、仕事と関係ない部分に気を使わずに済むので、自分の作業に没頭できます。
黙々と仕事をしたい人には、フリーランスはピッタリかもしれませんね。
給料が決まっている会社員と違い、フリーランスは仕事をした分だけ収入になります。
また、優秀なパタンナーは引っ張りだこなので、実力次第では大きな仕事を受注することも可能です。本人の頑張り次第では、会社員時代とは比べ物にならないような収入を稼げるかもしれません。
会社員は毎月給料を貰えますが、フリーランスは成果報酬型なので仕事量と報酬額によって収入が変わります。
特に最初の内は依頼も少なく、比較的安い報酬の案件が多くなるため、収入が減少する傾向にあります。
安定的な収入を得るには、腕を磨いて自分の評価を上げることが重要です。
フリーランスは、下記のようにスケジュールから金銭面まで、すべて自分で管理する必要があります。
・抱えている案件数
・それぞれの納期
・進捗状況などのスケジュール
・経費や確定申告など
仕事が軌道に乗ってきたら、全て自分で管理するのは難しくなるかもしれません。
納期遅れなどのトラブルは信用問題に係わるので、必要に応じて外部へ依頼することも視野に入れましょう。
洋服の出来を左右するパタンナーは実力次第で、会社員時代よりも多くの収入を得ることも可能です。
しかし、フリーランスは経験がモノを言うので、まずはアパレルメーカーなどでパタンナーとしての経験を積み、着実に技術力を上げていきましょう。
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