薬剤師を辞めたい5つの理由とは？辞めたい時の対処法も詳しく解説

国家資格を必須とする薬剤師は専門職でキャリアが途絶えないというメリットがありますが、専門職ならではのプレッシャーも大きく、決して楽しいだけの仕事ではありません。

現時点で、薬剤師を辞めたいと悩んでいる人も少なくないでしょう。

そこで、本記事では薬剤師を辞めたいと感じる主な理由や、薬剤師を辞めたいと思った時の対処法などについて解説していきます。

薬剤師を辞めたいと感じる5つの理由

薬剤師を辞めたいと感じる主な理由としては、以下のようなものが挙げられます。

思い描いていた仕事とのギャップがある

思い描いていた仕事と実際の働き方にギャップを感じ、薬剤師を辞めたいと感じる人は多いようです。

「先進的な薬の勉強ができる」などと思い薬剤師になったものの、実際には単純作業や調剤がメインで、知識の幅が広がらないと感じる人や、想像以上の激務で体が休まらないと悩む人は少なくありません。

人間関係の悩み

人間関係の悩みも、薬剤師のよくある退職理由の一つです。薬剤師の職番環境は、人間関係が悪くなりやすい側面があります。

薬剤師は、一つのミスが命取りになる仕事です。

薬の種類や容量を誤れば、患者の健康状態を大きく害する可能性があります。

誰かがミスをしてもスタッフ全員がかばい合えるような職場であれば良いのですが、必ずしもそうはならないでしょう。

殺伐とした職場では、ミスの擦り付け合いや、ちょっとしたコミュニケーションの齟齬から人間関係が悪くなることはよくあります。

調剤室や薬局など薬剤師の職場は閉鎖的な空間が多く、一度人間関係が拗れると修復するのは困難です。

長時間労働・過重労働

厚生労働省の調査によれば、2020年1月時点の全体の有効求人倍率は1.49倍でした。一方、薬剤師の有効求人倍率は2020年1月時点で4.76倍です。

この対比を見て分かるように、薬剤師は人手が不足している傾向にあります。

一日の大半を仕事に費やす生活に嫌気がさし、薬剤師を辞めたいと考えるようになる人は多いでしょう。

出典：一般職業紹介状況（令和2年1月分）について‐厚生労働省

教育体制が整っていない

中小薬局や病院に勤務する人から良く聞かれる悩みとして、「研修がなく、教育体制が整っていない」といったものがあります。

研修がなければ、独学で調剤について勉強しなくてはなりません。

しかし、独学は決して効率が良いものではありませんし、学べる範囲にも限界があります。

調剤未経験での勤務にかかわらず、研修はおろか周囲からのフォローがなく、ミスをしては怒られての繰り返しに辟易したという人は珍しくありません。

調剤過誤のプレッシャー

薬剤師の過失により患者に健康被害を与える「調剤過誤」が発生すれば、刑事責任を問われるケースもあります。

薬剤師の過失の度合いが大きく、患者の健康状態に重大な影響を与えた場合には、刑法211条に定められる「業務上過失致死傷罪」になる恐れがあるのです。

薬剤師の仕事は、一般的な仕事に比べてミスの代償が非常に大きいと言えます。

仕事のリスクが高い分、感じるプレッシャーが大きくなり、しだいに耐えられなくなって薬剤師を辞めたくなる人は多いです。ただ、業務上のミスは決して一人だけの責任ではありません。

十分な設備投資を行っている大手薬局では、「自動監査システム」など調剤機器が充実しており、ミスが起こりにくい環境が構築されています。

どうしても調剤過誤のプレッシャーに耐えられない場合は、こういったことも踏まえたうえで、職場を変えることも検討してみてください。

出典：業務上過失致死傷罪の責任追求への対策‐弁護士による労働問題Online

転職すべき？薬剤師を辞めたい時の判断ポイント

本項では、薬剤師を辞めるか悩んだ時の判断基準となるポイントを解説します。本項の内容を参考に、薬剤師を続けるのか辞めるのか考えてみてください。

半年以上転職するか悩んでいる

今の仕事に不満を抱え、半年以上転職するか悩んでいる場合には、無理して続ける必要はありません。

新卒で職場環境に慣れていない状態ならまだしも、ある程度薬剤師として働いたうえで、決して短くはない期間転職を考えているのなら、今後悩みが解消される見込みは薄いと言えます。

長時間労働の常態化など、職場環境の悪さで悩んでいる場合にはなおさらです。

あくまで目安ですが、半年間職場環境が変わらなければ、状況を変えるために経営層が対策を講じる可能性は低いと言わざるを得ません。

現在の悩みを解消する手段がない

同僚や友人に相談してストレスは発散したり、上司に相談して担当業務を変えてもらうなど、一時的にでも悩みを解消できる手段があるなら、今の環境でもうひと踏ん張りするのも手です。

ストレスが溜まれば業務の生産性は悪くなり、ミスもしやすくなります。過度なストレスを抱えながら、仕事を続けるメリットはほとんどありません。

家庭の事情などで仕事を辞められない人もいるかもしれませんが、有給などを上手く使いながら、できるだけ早く職場を変えるのが賢明な判断と言えます。

肉体的・精神的な不調が生じている

肉体的・精神的な不調が生じている場合には、一刻も早く今の職場から離れましょう。「動悸」「めまい」「胃の不快感」「寝れない」などの症状は、うつ病の兆候の一つである可能性もあります。

うつ病の原因と思われる問題が解消されたにもかかわらず、症状が改善されないケースもあります。

こういった状態に陥ると仕事はおろか日常生活にも大きな影響を及ぼすこととなるため、肉体的・精神的な異変を感じた場合には、医師の診察を受け、迅速に対処することが肝心です。

出典：うつ病｜こころの病気を知る‐厚生労働省 

セクハラやパワハラ、モラハラがある

職場でセクハラやパワハラ、モラハラが横行している場合には、できるだけ早く転職するのが吉です。

行為が確認されしだい、行為者が即刻処分され、健全な職番環境が守られるなら救いがありますが、こうした行為が日常的に行われている場合には、問題は根深く解決するのは容易ではありません。

自分が被害者でなくても、セクハラ・パワハラ・モラハラが蔓延している職場で働き続けることはおすすめしません。

薬剤師を辞めたい時の4つの対処法

薬剤師を辞めたい時の対処法としては、以下のようなものが挙げられます。

一つずつ見ていきましょう。

薬剤師転職のプロに相談してみる

薬剤師を辞めたいときは、薬剤師転職のプロに相談をしてみましょう。

　薬剤師特化型転職エージェントは、誰でも無料で利用することが可能です。

また、薬剤師は国家資格を必須とする専門職なので、薬剤師資格を活かせる職種は数多く存在し、転職の選択肢は少なくありません。以下に薬剤師資格を活かせる職種を挙げておくので、参考にしてください。

薬剤師資格を活かせる職種例

• 製薬会社研究職
• 製薬会社営業
• 知見コーディネーター
• 臨床開発モニター
• 医薬品卸
• 物流倉庫
• 医療系専門学校の講師
• メディカルライター　

薬剤師をやめようか悩んでる方は、1人で抱え込まずに気軽に相談してみましょう！

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• 薬剤師におすすめの転職エージェント9選を徹底比較！選び方も解説

薬剤師を辞めたいと思ったら

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一時的に休職する

どうしても薬剤師を辞めたいと思った時は、一時的に休職するのも選択肢の一つです。

業務から離れ、仕事やキャリアについてじっくり考える機会を作ることは大切です。

日々の業務に忙殺され慢性的な疲労があれば、少なからず判断力は鈍ります。

後悔しない選択をするためにも、一度心身をリフレッシュさせ、冷静な状態で現状と将来を考えるようにしましょう。

同僚や友人に相談する

薬剤師の仕事がストレスになり悩みを抱えている時は、同僚や友人に相談するのが効果的です。同じ職場で働いている同僚なら、悩みに共感してくれるはずです。

長い間同じ環境で仕事をしていると、気づかないうちに視野が狭くなり、たとえ長時間労働を余儀なくされているような劣悪な労働環境であっても、「これが普通」だと思いこんでしまいがちです。

そうなれば、転職の選択肢は選びにくくなります。現状を客観視するには、第三者の意見が欠かせません。

雇用形態を変える

正社員の薬剤師として働いており、労働時間などの問題に悩まされている場合は、雇用形態を変えるのも効果的です。

正社員からパートなどに雇用形態を変えれば、サービス残業が少なくなる分労働時間を短縮し、無理のない範囲で仕事ができるようになります。

パートであれば、異動や転勤なども基本的にありません。

ボーナスが支給されなくなるなど給与面のデメリットはありますが、正社員としての仕事がどうしてもつらい時は、雇用形態を変えることも検討してみてください。

一言で薬剤師といっても、職場や働き方は一種類ではありません。そこで本項では、薬剤師を辞めたいと感じやすい人・ポジションについて解説します。

新卒1年目

新卒1年目の場合、覚える業務が多すぎたり、理想と現実のギャップを感じたりして、辞めたくなる人が多くなると考えられます。

ただ、どういった職場でも、はじのうちは環境に慣れないと感じるものです。

もし、環境になれていないことが薬剤師を辞めたい理由なら、時間が解決してくれる可能性もあります。

しかし、教育体制が充実しておらず必要な知識が得られない、人間関係が悪く職場が常に殺伐としているなど、職場環境に明確なマイナス要素がある場合には、職場を変えるのが無難です。

管理薬剤師

管理薬剤師とは、通常の薬剤師業務に加えて、医薬品の管理や従業員の指導などを行う薬剤師のことを言います。

医薬品医療機器等法によって、医薬品を取り扱う薬局や店舗などへ管理薬剤師を配置することが義務付けられています。

管理薬剤師は、キャリアップの面ではメリットがありますが、通常の薬剤師業務よりも業務範囲が広く、責任が重いことからストレスを感じやすいのも事実です。

責任のある立場で働くことがあまり得意ではない人なら、管理薬剤師を辞めたいと感じることもあるでしょう。

管理薬剤師を辞めればストレスが軽減される可能性も考えられるため、薬剤師自体を辞めるかどうかは慎重に検討してみてください。

公務員薬剤師

公務員薬剤師とは、国や都道府県、市区町村などの地方自治体の公務員として働く薬剤師のことを言います。

一般の薬剤師とは働き方が異なる分、自分に合わないと感じる人もいるかもしれません。

公務員薬剤師の働き方は、「国家公務員薬剤師」「地方公務員薬剤師」「麻薬取締官」の3種類に大別されます。

それぞれ上記のような特徴があります。福利厚生が充実している点はメリットと言えますが、部署移動が頻繁にあることは難点の一つです。

それ故に、様々な人と関わり人間関係を構築していかなくてはならないため、ストレスに感じることもあるでしょう。

【男女別】薬剤師の辞めるときの注意点

ここでは、薬剤師を辞める際の注意点を男女別にご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

空白期間をできる限り作らない【男性向け】

退職してから転職先が決まるまでに生じる空白期間は、できるだけ作らないようにしましょう。空白期間が生まれると、当然その間は無収入となってしまいます。

さらに、空白期間が長くなればなるほど、転職活動を行う際に「この人は退職するタイミングについて考えなかったのかな？」と判断される可能性も出てきます。

そうなると転職しづらくなってしまうので、結局無収入の期間が延びてしまうのです。

転職先が決まっていない時点で今勤めている会社に、「早く報告しなければ・・」と焦ってしまわないように気を付けましょう。

理由はどうあれしっかりと退職報告はする【女性向け】

退職報告を行う際に気を付けたい点としては、理由がどうあれ社会人らしくきちんと報告すべきということです。転職後も前職で関わっていた方とどこで繋がるか分からないものです。

そのため、もう辞めるからと言って去り際の後味が悪ければ、もしどこかで再会した時に色々と不利になることも考えられます。

引継ぎがきちんとできていなければ、場合によっては退職後にも連絡が届くこともあるので、注意しておきましょう。また、女性なら退職理由は結婚・出産など寿退社となることもあります。

しかし、そういった際にも引継ぎを含めて最後まできちんとやり通すことがマナーと言えるでしょう。

退職予定日の1か月前には伝える【男女共通】

男女どちらにも共通して言えることですが、退職報告を行うタイミングについては2か月前、最低でも1か月前には伝えるようにしましょう。

民法上では雇用契約書に記載がない限り、2週間前に伝えると退職できるようになっています。しかし、引継ぎや有休消化といった面を考えると、1か月前には報告しておくべきなのです。

また、退職報告を行う相手は直属の上司が一般的です。上司よりも上の立場である社長や部長などへ先に伝えてしまうと、トラブルに繋がりかねないため注意が必要です。

正式に退職が決まるまでは先輩や同僚などの周囲に話さないようにしましょう。

薬剤師を辞める際に失敗しないポイントは、以上の2点です。ぜひ転職の参考にしてみてください！

職場の雰囲気を掴む

転職エージェントでは、実際に職場に訪問し会社の雰囲気や労働環境を確認していることがあります。

リアルな雰囲気や人間関係を入社前に把握しておくことで、自身のイメージと食い違いがないか知ることができますよ。

複数の転職エージェントに登録する

薬剤師向け転職エージェントは複数存在し、それぞれに特徴があります。

中には登録しないと見られない、そのサイトでしか紹介しない「非公開求人」を取り扱っていることも多いため、転職を有利に進めたい方は複数に登録をしましょう。

非公開求人は、給料や労働環境などが好条件な求人が多く、自分の希望している職場を紹介して貰える可能性が高くなります。

薬剤師を辞めたい時は転職エージェントに相談しよう

転職を検討する際は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職の意思が固まっていない場合には、今後のキャリアについて相談するだけでも問題ないので気軽に利用できます。

転職エージェントを利用するメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

転職エージェントを利用すれば、様々な業界の転職事情に詳しいアドバイザーから徹底的にサポートしてもらうことが可能です。

職種に関する希望条件だけでなく、仕事観やキャリア観なども深堀したうえで適性に応じた求人を紹介してくれるので、本当に自分に合った仕事・職場に出会いやすくなります。

　スカウト機能を利用すれば、経験やスキルを登録しておくだけで、自分に興味を持った企業から応募を促すスカウトが受けられます。

自分で仕事を探す手間が省けるうえに、企業から一定上の評価を得ている状態で選考に臨める分内定率は高くなり、効率的に転職活動が進められます。

応募書類の添削や、模擬面接をしてもらえるのも嬉しいポイントです。

薬剤師を辞めたいなら相談しよう！おすすめ転職エージェント3選

転職を検討している方は、転職エージェントに相談することをおすすめします。

転職エージェントでは、薬剤師の転職に関する情報や今後のキャリアについて相談するなど、気軽に利用することが可能です。

その他にもスカウト機能や、書類添削、面接対策など転職に関する様々なサポートを無料で利用することができ、転職活動をスムーズに進めることができます。

ここでは、薬剤師におすすめの特化型転職エージェントを3選紹介します！

マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師は、薬剤師に特化した転職エージェントです。キャリア面談を重視し、転職希望者のニーズをしっかり聞き取ってくれます。

アドバイザーは、薬剤師の転職支援を専門に担当しています。業界情報に詳しいのはもちろん、求人案件も多く抱えているため、企業側としっかり交渉してくれます。

HPには、大手企業を含む薬剤師の求人掲載企業の一覧があります。

出典：マイナビ薬剤師

薬キャリエージェント

サイトを運営するエムスリーキャリア株式会社は、医療関連ビジネスを展開している東証一部上場企業エムスリーグループの一員です。独自のネットワークを生かして薬剤師の転職支援を行なっています。

求人案件を多く保有しているため、最短即日で求人を紹介してもらえます。

勤務条件が合わない場合は、転職コンサルタントが企業側に交渉してくれます。

出典：薬キャリエージェント
※公式サイトより（自社調べ）

ファルマスタッフ

ファルマスタッフは、薬剤師の転職支援22年になる転職エージェントです。「一緒に考える」をキャッチフレーズに、ていねいな転職支援サービスを提供しています。

拠点が多いので、各地域の事情に通じているのも魅力です。また、転職相談会は土日にも開催されており、WEBからも参加できます。

若手薬剤師向けのお仕事相談会もあります。

出典：ファルマスタッフ

よくある質問

まとめ

今回は、薬剤師を辞めたいと感じる理由や、辞めたいと感じた時の対処法などについて解説しました。

薬剤師の職場は、調剤過誤をはじめとした業務上の過失があった場合のリスクが非常に大きく、職場は常に緊張しています。

人手不足からくる長時間労働や過重労働も相まってストレスを抱えている人が多く、人間関係のトラブルやパワハラなどが発生しやすい傾向にあります。

仕事のストレスに耐えられず、薬剤師を辞めたいと思った時は、まず友人や同僚、上司に相談してみましょう。

それでも心が晴れず、状況が改善される様子もない場合には、転職を視野に入れ転職エージェントに相談するのがおすすめです。

記事内で紹介した転職エージェントはいずれも無料で利用できるため、ぜひ自分に合ったサービスを見つけてみてください。